xoBlosで業務システムを構築していくとき、その前半の重要な局面として、調査・分析、要求・要件定義、設計の局面があります。これらの局面で、効果的な手法はないかと問われたら、筆者は「動詞・名詞分析手法」が手軽に始められて効果が大きいですよ、とお答えしています。
「動詞・名詞分析手法」は、ユースケース分析の手法にときたま出てくるもので、利用可能な関連のある材料(資料、文書、Excelファイル、データなど)を集め、その中のテキストから文字通り、動詞と名詞を抽出して分析する手法です。
「予算編成業務」 の事例で考えてみましょう。
ある企業の予算編成業務で、材料(資料、文書、Excelファイル、データ、システム計画書・企画書)から、名詞・動詞を抽出したところ、下記の言葉が多い(頻出する)ことがわかりました。
【名詞】
申請書様式、予算申請書、データ、手作業、連結、全社データ、修正データ、差分、予算集計データ、経営企画部、組織レベル1、組織レベル2、審査、確定、確定版、予算承認通知書
【動詞】
作成する、提出する、アップロードする、集計する、閲覧する、確認する、連結する、ダウンロードする、承認する、通知する
動詞は、xoBlos corabo のWeb画面における、メニュー候補となる可能性が高い言葉です。名詞は、ファイル設計やデータ形式設計、ユーザー権限設計などに利用できます。
これらの動詞や名詞を、辞書(用語辞典)のようにまとめておくと、それだけでも実用的な開発ベースができあがります。
ユースケース分析では、ユースケース図を描くことに主眼がいってしまいがちですが、完成した辞書(用語辞典)を基にして、まずテキストだけでユースケース(利用者シナリオ)をまとめてみましょう。
- 組織レベル1で、手作業で組織レベル2データを集計する。
- 組織レベル1で、予算申請書を作成し、アップロード(経営企画部に提出)する。
- 組織レベル1で、提出した予算申請書を閲覧して確認する。
- 経営企画部で、組織レベル1から提出された予算申請書を閲覧して確認する。
- 経営企画部で、組織レベル1データを連結して全社データを作成し、ダウンロードする。
- 経営企画部で、全社データの修正データ(差分)を申請書様式で作成する。
- 経営企画部で、作成した修正データ(差分)をアップロードする。
- 経営企画部で、全社データを集計して予算集計データを出力し、ダウンロードする。
- 経営企画部で、ボタン実行して審査後の予算集計データを確定する。
- 経営企画部で、全社データ確定版を閲覧する。
- 経営企画部で、ボタン実行して予算承認通知書を作成する。
- 組織レベル1で、予算承認通知書をダウンロードして閲覧する。
ここまでできれば、corabo 画面のメニューを考えたりするのは、あっという間です。