Excelシート 12種類のデザインパターン
https://xoblos.hatenablog.jp/entry/2026/09/19/183144
「Excelシート 12種類のデザインパターン」の第4回は、
パターン4:シート別分類 です。
Excelでは、すべてのデータを1枚のシートにまとめる方法もあれば、
年度別
部門別
営業所別
商品区分別
のように、一定の基準でシートを分けて管理する方法もあります。
今回紹介する「シート別分類」は、
同じ形式のデータを、分類単位ごとに別シートへ分ける
デザインパターンです。
シート別分類とは
シート別分類は、1つのExcelブックの中に複数のシートを作り、それぞれに同じ形式のデータを配置する方法です。
たとえば人口データなら、
-
1975年度
-
1980年度
-
1985年度
-
1990年度
-
・・・
-
2019年度
というように、年度ごとにシートを分けることができます。
[画面ショット:人口データ編/パターン4「シート別分類」]

各シートの構造をそろえておけば、
「このシートは2019年度」
「こちらは2000年度」
というように、対象年度を直感的に切り替えて確認できます。
1枚にまとめるか、シートを分けるか
同じデータでも、
すべてを1枚のシートにまとめる方法
と、
複数のシートに分ける方法
があります。
たとえば年度別人口なら、1枚にまとめる場合は、
| 都道府県 | 1975 | 1980 | 1985 | … | 2019 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | … | … | … | … | … |
| 青森県 | … | … | … | … | … |
のようになります。
一方、シート別分類では、
「1975年度」シート
| 都道府県 | 人口 |
|---|---|
| 北海道 | … |
| 青森県 | … |
「1980年度」シート
| 都道府県 | 人口 |
|---|---|
| 北海道 | … |
| 青森県 | … |
というように分けます。
どちらが正しいということではなく、
何を見たいか、どう使いたいか
によって適した形が変わります。
シート別分類のメリット
シートを分類単位ごとに分ける最大のメリットは、
目的のデータへ直感的に移動できること
です。
たとえば、
「2026年度のデータだけ見たい」
のであれば、2026年度シートを開けば済みます。
また、
「東京営業所だけ確認したい」
のであれば、東京営業所シートを開く、という使い方もできます。
複数の利用者がExcelを確認するときにも、
シート名そのものが分類ラベルになる
ため、分かりやすい構成になります。
販売データでは分類方法がさらに広がる
販売データでは、シート別分類の使い方がさらに多くなります。
たとえば、
-
年度別
-
営業所別
-
商品区分別
-
顧客区分別
-
担当者別
などです。
[画面ショット:販売データ編/パターン4「シート別分類」]

たとえば営業所別に分ける場合、
-
東京営業所
-
大阪営業所
-
名古屋営業所
-
福岡営業所
といったシートを作り、それぞれに同じ形式の販売データを配置します。
各営業所の担当者にとっては、自分の営業所のシートだけを確認すればよいため、非常に分かりやすくなります。
各シートの形式をそろえる
シート別分類では、
各シートのレイアウトを統一すること
が重要です。
たとえば営業所別に分けるなら、すべてのシートで、
| 売上年月 | 商品区分 | 商品名 | 数量 | 売上金額 | 粗利 |
|---|
という同じ列構成にします。
東京営業所だけ列の順番が違う、大阪営業所だけ項目が追加されている、といった状態になると、比較や集計が難しくなります。
シート別分類は、
「分ける」ことと「統一する」ことをセットで考える
のがポイントです。
シート名もデザインの一部
このパターンでは、シート名も重要です。
たとえば、
-
Sheet1
-
Sheet2
-
Sheet3
では、何が入っているのか分かりません。
それよりも、
-
2026年度
-
2027年度
-
東京営業所
-
大阪営業所
-
法人顧客
-
個人顧客
のように、内容が分かるシート名にしたほうが使いやすくなります。
また、並び順にも意味があります。
年度なら、
2024年度 → 2025年度 → 2026年度
営業所なら、
北から南
組織順
売上順
など、一定のルールで並べておくと探しやすくなります。
分けすぎると逆に使いにくくなる
シート別分類は分かりやすい一方で、
シートを増やしすぎると管理が難しくなる
という注意点があります。
たとえば、
-
10営業所
-
12か月
-
5商品区分
をすべて組み合わせて、
営業所×月×商品区分
でシートを作ると、
10 × 12 × 5 = 600シート
になってしまいます。
ここまで増えると、目的のシートを探すだけでも大変です。
そのため、
シートで分ける単位は1つ、または多くても少数に絞る
ほうが実用的です。
「年度別」と「月別」では粒度が違う
分類単位を決めるときには、粒度も考える必要があります。
たとえば5年間の販売データがある場合、
年度別なら5シートですが、
月別なら60シートになります。
同じ時間分類でも、
年度単位
四半期単位
月単位
でシート数は大きく変わります。
日常的に見る単位、更新頻度、利用者数などを考えて、ちょうどよい分類粒度を選ぶことが重要です。
集計するときに注意が必要
シート別分類は見る側には分かりやすいのですが、ブック全体を集計する場合には注意が必要です。
たとえば営業所ごとに10シートある場合、
「全営業所の売上合計」
を出すには、複数シートをまとめて参照する必要があります。
シート構造がすべて同じなら集計しやすいですが、少しでも形式が違うと処理が複雑になります。
そのため、
分類用のシートと、全体集計用のシートを分ける
設計もよく使われます。
人が見るには便利、データ処理には工夫が必要
シート別分類は、人がExcelを開いて確認する場合には非常に分かりやすい方法です。
一方で、データをシステム的に処理する場合には、
「どのシートにデータがあるか」
を判断する必要があります。
たとえば、
-
すべてのシートを順番に読む
-
シート名から年度を判断する
-
特定の名前のシートだけ処理する
といったルールが必要になります。
Excelを業務システムと連携する場合には、
シート構成もデータ構造の一部
として考えることが重要です。
向いている業務
シート別分類は、次のような用途に向いています。
-
年度別実績
-
月別報告書
-
営業所別売上
-
部門別予算
-
店舗別在庫
-
担当者別案件一覧
-
商品区分別集計
-
顧客区分別実績
-
プロジェクト別管理
-
拠点別報告書
共通しているのは、
同じ形式のデータを、分類単位ごとに分けて見たい
という用途です。
シート別分類は「ブック全体を設計するExcel」
第1回の「オートフィルター固定」は、
データを探すExcel
でした。
第2回の「時系列推移」は、
時間による変化を見るExcel
でした。
第3回の「ランキング」は、
対象同士の差を発見するExcel
でした。
そして今回の「シート別分類」は、
ブック全体を分類して整理するExcel
と考えることができます。
ここまでの3パターンが主に「1枚のシートの中をどう設計するか」だったのに対し、今回は、
複数のシートをどう構成するか
という、少し広い視点のデザインパターンです。
xoBlosのブログ 参考記事
制御シートキーワード:シート分割
https://xoblos.hatenablog.jp/entry/2021/01/31/063533
Designer:データを分類して別々のシートに出力する(制御シート)https://xoblos.hatenablog.jp/entry/2016/11/23/152617
データ分類(シート分割)×グラフ生成(効果編)
https://xoblos.hatenablog.jp/entry/2025/10/05/083659
今回のデザインパターン
パターン4:シート別分類
特徴:
同じ形式のデータを、年度・部門・営業所などの分類単位ごとに別シートへ配置する
代表的な用途:
年度別実績、営業所別売上、部門別予算、店舗別在庫、月別報告書など
次回
次回は、
パターン5:グループ・小計
を紹介します。
明細データを分類ごとにまとめ、そのまとまりごとに小計を入れることで、詳細と集計結果を同じシートの中で確認できるExcelシートのデザインです。





