レガシー(負の遺産、技術的負債)

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DX の推進をめぐる論点で必ずと言っていいほど登場するキーワードが、レガシー(legacy)です。一般的には遺産(先祖や過去からの伝来のもの・資産)を意味しますが、コンピューターの世界では、 長年使用されてきて、様々な事情で完全に捨てることができなくなっている古い技術や仕様などを意味します。

以下は、経済産業省レポートとマッキンゼー・デジタルの書籍からの引用です。

  • ITシステムが、技術面の老朽化、システムの肥大化・複雑化、ブラックボックス化等の問題 があり、その結果として経営・事業戦略上の足かせ、高コスト構造の原因となっている「レガ シーシステム」となり、DXの足かせになっている状態(戦略的なIT投資に資金・人材を 振り向けられていない)が多数みられる。
  • DXを進める上で、データを最大限活用すべく新たなデジタル技術を適用していくためには、 既存のシステムをそれに適合するように見直していくことが不可欠である。

引用文献:経済産業省 DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(簡易版)

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_02.pdf

  • 負の遺産と呼ばれるレガシーシステム、技術的負債(Tech Debt)
  • 過去20~30年以上に渡り、IT部門とITベンダーが都度補修してきた歴史的遺産
  • 日本企業におけるDXの最大の壁
  • 都度発生した業務要件を実現するために、機能のつぎはぎが繰り返され、複雑化・老朽化

引用文献: 「マッキンゼーが解き明かす 生き残るためのDX」発行:日経BP日本経済新聞出版本部 編著者:黒川通彦、平山智晴、松本拓也、片山博順

 

次回記事からは、「レガシー」と「Excel文化」「Excel資産」について考えてみます。

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